「当機はあと10分ほどで大阪国際空港に着陸いたします。大阪の現在の天候は晴れ。気温は摂氏37℃。」とのアナウンスにどよめく機内。そして猛暑日連続記録更新中の大阪に降り立った。2年ぶりに行った万博記念競技場は今までと雰囲気が全く違っていた。さまざまな食べ物を売るテントが並び、親子連れを中心に思い思いに楽しそうな時間を過ごしている。夏休みの一日、サッカーの試合がある休日をそれぞれ満喫しているキラキラ感があったのだ。いつのまにかそんな素敵なスタジアムになっていた。
入口で配布されたマッチデー・プログラムの表紙はイ・グノ。やっぱりそう来ますよね、ガンバさん。試合前のアップが終わったあと、グノが満面の笑みでジュビロ・サポーターに挨拶にやって来た。おなじみのペコリと頭を下げての挨拶に、投げキッスまで。短い時間だったけれど、これでケジメが付いた。あとは容赦なく敵だ。
やはり日曜のナイトゲームだけにサポーターも少ないなぁと思っていたら、アウェー側もどんどんサックスブルーで埋まってきた。最終的には通路まで埋まるほどに。2万近くの観客で埋まったスタジアムはスカスカのスタンドよりも、見ていて気持ち良い。
昼間の暑さも一段落し、時折心地よい風が吹き始めた午後6時過ぎにキック・オフ。2連勝で迎えたこの一戦、是非とも勝ち点を積み重ねて帰りたい。そのためにサポーターはここに集まったのだから。それ以外の事は他所でやってくれ。しかしそんな思いとは裏腹にここ2試合と異なり、ディフェンスも中盤も綻びまくりだ。まるで能活ひとりが守備をしているかのよう。そして動かずにボールを見ている選手たち。ボールを持ってももたつき、プレスをかけられ奪われてしまう。攻撃しても自分では打たずにボールを回す。打ってもなかなか決まらないのに、打たなきゃ決まらないだろうが!以前の躍動感には翳りが見えたものの、ガンバはやはり試合巧者である事には変わらない。そしてその歴然とした差を、ピッチ上でまざまざと見せつけられたのであった。言葉は悪いがヘタならヘタなりに気持ちを出して、足りない分をカバーしてもらいたいものだ。熱いモノを出せば歯車も回転するし、見ている方も応援にチカラが入るというものだ。後半からは多少動きが出てきたものの、態勢は変わらず。結局2失点ともセットプレーからの失点という釈然としない完封負け。釈然としないが、必然だったとも言える結果であった。
長いホイッスルが競技場に響く。本来、選手を迎えて帰途につくのが筋なのだが、ホイッスルと同時に東京行き最終新幹線に飛び乗るために競技場を飛び出した。
連勝は簡単ではない事はわかっているし、結果は結果だ。そしてこれからまだまだ暑い中、地獄の連戦へと突入していく。体力も気持ちもキープしていくのは大変だろう。それでも闘う気持ちだけは常に持ち、それを見せてもらいたい。そのためには俺たちも同じ気持ちで臨むからさ。
Ken2