豊田スタジアム。
このスタジアム、大好き。設備も整っているし、きれいだし、なによりも試合が見やすい。
そんなスタジアムで引き分け以上でJ1残留が決定するという状況で迎えた名古屋戦アウェー・バスツアー。多くのドキドキ感を乗せたバス2台は一路西を目指した。隔週で通っている東名高速だけど、袋井ICを過ぎると一気に訪れる非日常感。浜名湖SAではもうウロウロと観光客状態だった。渋谷を出て2ヶ所の休憩を挟み4時間半で順調に到着。今までとは違いメインスタンドのてっぺんまで探検登山にいけなくなってしまったのが残念。
対戦相手のグランパスは、マスコットだけはかわいいが、なんせ数日前にACLのアウェーから戻ってきたばかりでお疲れのはず。おまけにピクシー監督は、前節のロングシュートで今節はベンチ出禁。まずは引き分け以上で残留確定しようと言いながらも、柏戦、鹿島戦とここのところ内容を伴う試合が続いているので、この試合は勝たなきゃという想いが強かった。ビジター側スタンドに集結したジュビロ・サポーターも、その想いをひとつにして、選手入場時からフルスロットルでの応援だ。
予想通り、良い試合運びだった。全選手がそれぞれの仕事、役割をきっちりこなし、それを連係させていっている。
私事なんだけど、鹿島戦のMDPに掲載されていたハチのインタビューで「目指すGK像は?」の質問にこう答えていた。「派手なGKでなく、落ち着いた、安定感のあるGK。今日は神がかっていたなではなく、今日もものすごく止めてくれたなと言われるGKになりたいです。」この試合のハチを見ていたら、このインタビューを思い出し、試合毎に成長著しいハチの姿に何故か涙が出てきた。
試合が動いたのは前半30分すぎの我らがエース前田遼一のゴールだ。ゴールネットも、ジュビロサポーターも揺れた。そして前半のうちに追加点。
ハーフタイムにはまだ浮かれるなと戒めつつも笑顔が溢れてきていた。それは後半開始早々の、俺たちの目の前で挙げられた前田の3点目で確信へと昇華していった。得点王争いをしている前田のハットトリック。そしてこれがジュビロにとってJ1通算1000ゴール目となった。
正直、すでに有頂天だった。
この後の悪夢を誰が想像しただろう…。
オウンゴール、ケネディのヘッド、PKと3失点。
終わってみれば3-3のドロー。
審判に対してどうのこうの言っても、残念ながら結果はかわらないし、どんな裁定であろうがもう1点多く取るか、あと1点防いでいれば勝ち点は3だったのは事実。ただ不安定な判定でゲームをめちゃくちゃにするのは勘弁してもらいたい。
項垂れて挨拶に戻ってくる選手たち。
悔しい形で引き分けにはなったけど、胸を張ってきて欲しい。俺たちは拍手とコールで迎えたい。
帰りのバスの中も、悶々としたどんよりした空気だった。誰かが言った「同じ結果でも前後半が逆だったら、全く違う気分なのになぁ」という言葉に、みんなが頷いた。
冷静に考えれば、10月のうちに残留を確定できたのだ。去年の今頃は13枚の巨大な「肩クンデ…」ゲーフラを作っていた時期に、ほっとできたのだ。それでほっとしていちゃいけないのはわかるけど、まずは喜び、ほっとしたい。そしてリーグ戦残り4試合もきっちり共に戦って、ここからもっと上を目指していこう。
Ken2