ジュビロ磐田が変わる時が来た。
2009年シーズン、ホーム最終戦。
スタジアムにはたくさんのダンマクが掲げられ、普段のリーグ戦とは異なる雰囲気に包まれていた。
ヤマハスタジアムで“彼ら”とともに戦う試合はこれが最後という想いと、チームのことを考えると感傷的になっている場合ではないという気持ちに整理をつけられないまま試合に臨む。
相手はサンフレッチェ広島。
前半、攻める時間がありながらもチャンスを決め切れず、肝心なところでミスが多く、22分、一瞬の隙を佐藤寿人選手に突かれて失点。
その後は後手に回り、後半もいつものように苦しい展開が続く。
迎えた後半37分、背番号9がピッチに入る。
サックスブルーの9番が放つヘディングシュート。
彼はいつも私たちの気持ち、選手たちの気持ちに火をつけ、スタジアムの温度を上げる。
感傷的になってる場合ではないのに…と思っているこの日でさえ。
再び目覚めたチームは、延々と続く“中山隊長ゴンゴール”のチャントの中、決定機を作り出すも決めることができずにタイムアップ。
2009年の、そして退団が決まっている4人の選手の、ホームラストゲームを勝利で飾ることはできなかった。
日が落ち、肌寒くなったスタジアムのピッチに全選手が一列に並び、年間報告セレモニーが行われる。
社長、柳下監督のあいさつがあり、全選手から一言ずつコメントがあった後、4選手から退団のあいさつがあった。
思いがけない告白に胸を突かれ、照れたようなあっさりとしたあいさつに笑いながらも、寂しさにじんとなる。
20年間ジュビロで戦ってきた中山選手は、セレモニーの後、ゴール裏のサポーターのもとにきた。
その時間を慈しむように、全速力で群がるカメラマンを振り切り、いつも一緒に踊ったゴンダンスを力いっぱい踊ってくれた。
そして、改めて、飾らない言葉で語ってくれた。
「まだ、走り続けたいんだな」
メディア向けの姿とは違う、素の表情を、中山さんはいつもジュビロサポーターにだけは見せてくれた。
彼にとって特別な存在であれたことが、誇らしく、本当にありがたいことだと思った。
チームが違ってしまえばゴンダンスを一緒に踊ることはもうかなわないかもしれないけれど、それでも特別な存在でいさせてくれるかな。
チームが違ってしまえばゴンダンスを一緒に踊ることはもうかなわないかもしれないけれど、それでも特別な存在でいさせてくれるかな。
サイド攻撃の面白さをもっともっと共有したかった村井選手。
熱いメッセージで、応援する快感を呼び起こさせてくれた茶野選手。
本当に長い間ジュビロのディフェンスラインを支え、熱い気持ちと、ジュビロのチームワークの面白さを教えてくれた秀人選手。
そして、言葉にならないたくさんのものを共有し、与えてくれた中山選手。
本当に本当に、ありがとう。
これからも別のチームで、でも心のどこかで繋がって、一生懸命戦って行きましょう。
さあ、ジュビロ磐田が変わる時だ。
正直、明るい気持ちで未来を想像できる現状では全くないが、ネガティブな感情を抱えているのは性に合わない。
ハッタリでもいいから、良い方に変わるはずさと笑い飛ばして、サポーターから元気をチームに与えていければいいと思う。
ラスト1節、そんな第一歩を感じられたらいいと思う。
バスツアーは今年はこれが最後。
1年間、IWATA EASTにお付き合いいただきありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
NP
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